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大阪府堺市堺区熊野町西3丁2番7号
ダイワビル2階
堺オリーブ法律事務所は、開所以来、多くの女性のお客さまの離婚相談に対応してきました。その中でも、夫からのモラハラ(モラル・ハラスメント)に苦しむ女性のお客さまがとても多く、当事務所としても、モラハラ被害を受けている女性の離婚問題の解決には、最も力を入れています。
なお、妻からのモラハラに苦しんでいる男性も少なくありませんが、当事務所は、夫からのモラハラに苦しんでいる女性の救済に重点を置いています。
あなたの夫に次のような傾向があれば、モラハラの可能性が高いです。
○ 普段は穏やかだけれども、何かをきっかけに突然怒り出す。
○ 私のちょっとしたミスに対して、延々と責め立ててくる。場合によっては、夜中遅くまで言い続けてくる。
○ 不機嫌になると、ドアをバターンと強く閉めたり、物に当たったりする。
○ 夫が大声で怒鳴ってきた後、「俺を怒らせることをするお前が悪い」などと言ってくる。
○ 意見が合わないとき、夫の意見が正しいと私が認めるまで解放してくれない。
○ 「俺が稼いでるから、生活ができるんやぞ」などと言う。
○ 「こんなことも知らんのか?」などと、すぐにバカにしてくる。
○ 私が私の実の親と会ったり話したりすることを、夫は嫌がる。
○ 私の体調が悪くなると、夫は、気遣ってくれるどころか、機嫌が悪くなる。
○ 何かあるとすぐに「そんなんやったら、離婚や!」と言ってくる。
○ 私はパートで、夫のほうが断然収入が高いのに、住居費(住宅ローンや家賃)、水道光熱費、電話代、インターネット代などだけ夫の口座から自動引落しで、それ以外の生活費(食費、日用品費、衣服費、子どもにかかる費用など)は支払ってくれず、私の少ないパート収入でやり繰りしなければならない。
○ 夫は、外では人当たりが良く、そのため「いい旦那さんね」と言われるが、家の中では全く違う。
○ 私がたまに女友達と夜食事に出かけようとすると、すごく不機嫌になる。
○ 私はたまに職場の飲み会があるが、夫は「飲み会には行くな」と言う。
○ 夫は、異常にプライドが高く、世間からどう見られるかを気にする。
○ 夫の暴言などがイヤで、ほんの小さな改善を夫に求めると、「じゃあ、お前は○○しろ」と実現不可能な極端なことを言ってきたり、「そんなこと言うんやったら、もう離婚や!」と言ってきたりする。
○ 夫が洗面所の水を止め忘れていたことを指摘すると、夫は突然切れて「俺は仕事で疲れているんやから、そんなことで文句を言うな! 文句があるんやったら、離婚や!」と言ってきた。
○ 夫は「お前は、俺が養ってやってるから生きていけてるけど、お前ひとりで社会に出たら生きていけないぞ」などと言ってくる。
○ 夫は、ちょっと機嫌が悪くなると、しばらく口をきかなくなる。
上記のような事柄は、第三者が聞いても比較的分かりやすい話ですが、実際には、モラハラ被害者の苦しみを人に伝えるのが難しいモラハラがしばしば行われています。
夫の言動のひとつひとつを見れば、世の中では取るに足りないとされていても、それが全体としてまとまりを持ったときには、あなたの心を破壊するような恐ろしい力を持っていることがあります。
たとえば、あなたが夫に何かを質問しても、まともに答えてくれないことがあります。言葉で答える代わりに、ほんのわずかな仕草で、あなたを不安にさせます。たとえば、夫のちょっとしたため息ひとつで、あなたの心は破壊されます。あるいは、あなたが別の部屋にいるときを見計らって、わざと怒ったように独り言を言ったり、わざとドアをバーンと閉めたりして、あなたを不安に陥れます。こういう場合、あなたは、自分が何か悪いことをしたせいで夫が怒っているのではないかとつい思ってしまい、不安が増幅してしまいます。そして、何か怒っているのか尋ねると、夫は「何も怒っていない」と言います。あるいは、夫が、矛盾する言葉を平気で口にしたり、何かを言いかけて途中でやめてしまったりして、あなたを不安に陥れます。
夫からモラハラ被害を受けた方から、たとえば、次のような声をよくお聞きします。
○ 夫が家に帰ってきて玄関のドアを開ける音がすると、胸の鼓動が早まり、緊張感が走る。
○ 夫が外に出かけてくれると、少しホッとする。
○ 夫が近くにいるとつらい気持ちになるけれど、なぜつらい気持ちになるのか自分でもよく分からない。
このようなモラハラの場合、あなたは、自分が置かれた状況や苦しみをどう言葉にしてよいのかわからないのが通常です。夫の言葉がどんな口調で言われたのか、どんな表情で、どんな目線を送ってきて、その裏にどんなニュアンスがあるのか、などを人に伝えることは、とても難しいことです。自分の身に起こったことを人に話そうとすると、なかなかうまく表現することができず、人にはわかってもらえないと無力感を感じる方も多いようです。
当事務所では「私の夫の言動はモラハラに当たりますか?」というご質問を受けることも多いのですが、実は、モラハラに当たるかどうかはそんなに大切なことではありません。
もともと「モラル・ハラスメント」という言葉は、フランスの精神科医マリー=フランス・イルゴイエンヌさんが提唱した言葉で、「精神的な暴力」や「精神的な嫌がらせ」と訳されます。
ただ、日本の法律において、たとえば「配偶者の不貞」は離婚原因とされています(民法770条1号)が、「配偶者のモラハラ」そのものは離婚原因とされていません。夫のモラハラがあった場合、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条5号)があるといえるかによって離婚原因にあたるか否かが決まってきます。
ですので、夫の言動がモラハラに当たるかどうかを厳密に検討することにはあまり意味がなく、いろんな事情から「婚姻を継続し難い重大な事由」があるといえるかどうかのほうが重要です。
この「婚姻を継続し難い重大な事由」というのは抽象的で分かりにくい概念で、ここでは詳しい話は省略しますが、とりあえず大切なのは、あなた自身が、夫の言動によって離婚をしたくなるほど苦しんでいるかどうかです。
そして、一番大切なのは、あなたがこのような辛い生活から離れて、夫と離婚し、新しい人生に踏み出す決意をもつかどうかです。
さて、モラハラ夫との離婚は、一般的な離婚と比べて、特有の難しさがあります。難しい原因として、主に次の3つのことがあります。
あなたがモラハラ夫に離婚の話合いを持ちかけても、モラハラ夫は、いつもの通り、あなたのことをバカにしてまともに取り合ってくれなかったり、または、あなたが離婚を言い出したことが「間違っている」と言って「お前がいかに間違っているか、俺がいかに正しいか」を一方的に延々と話し続けたり、いずれにしてもまともな話合いにならないことが多いです。
あなたは夫からのモラハラが苦しくて離婚したいのに対して、モラハラ夫にはあなたを苦しめている自覚がないため、離婚など全く考えていません。むしろモラハラ夫にとっては快適な結婚生活で、離婚しないでそのまま結婚生活を続けたいと思っています。
残念ながら、モラハラ夫を離婚に応じさせるための魔法の言葉はありません。モラハラ夫を説得して離婚することに納得させようと思っても、ほとんどの場合、無駄です。
モラハラ夫の中には、何かあるとすぐに「出て行け!」「離婚だ!」と言う人もいます。ところが、残念ながら、こちらから離婚を切り出すと、とたんに「離婚には応じない」という態度に出る人が多いです。「出て行け!」「離婚だ!」と言っていたのは、あなたを支配するための言葉だったので、本当に離婚する気はないのです。モラハラ夫にとっては「快適な」結婚生活だったので、それを手放そうとは思わないということでしょう。
モラハラ夫は、自分が悪いという発想を持たず、何でもあなたのせいにする傾向があります。
勇気を振り絞って離婚したい旨を告げると、モラハラ夫は、逆切れして怒り出す人が少なくありません。そうすると、当然、まともな話合いにならなくなります。
モラハラ夫に面と向かって「離婚したい」と言うのは怖いため、あなたがこっそりと家を出て別居したとしても、「勝手に家を出て行きやがって!」と逆上することは確実です。
【相談者】40代女性、パート社員、子2人
【相手方】夫(40代・会社員・年収1000万円超)
夫がモラハラで辛い。
夫はあまり生活費を渡してくれない。「パート代だけで生活しろ」などと言われる。
離婚したい。生活が苦しくても、子2人といっしょに平和に暮らしたい。
子2人を連れて別居し、直ちに、婚姻費用分担請求審判と審判前の保全処分(婚姻費用仮払い)を申し立てた(あえて離婚調停は申し立てず、夫側から離婚調停が申し立てられるのを待つことにした)。
婚姻費用の仮払いを受けながら、2か月後、こちらの請求通りの金額で、婚姻費用が決まった。
その間に、夫側から離婚調停が申し立てられ、第2回調停期日に調停離婚成立。こちらの要望どおり、2人の子の親権、養育費月額28万円、財産分与400万円を獲得した。
5か月
審判前の保全処分(婚姻費用仮払い)を申し立てたことにより、早期に婚姻費用を獲得することができた。
その結果、依頼者が生活費に窮することなく、落ち着いて離婚の条件を交渉することができ、依頼者が十分に満足できる月額28万円の養育費を獲得することができた。
このように、モラハラ夫と離婚する場合、離婚を切り出すタイミングや方法、別居するタイミングなどを失敗すると、大変なことになってしまいます。
一般的な離婚と比べて、モラハラ夫との離婚の場合、あなたが一人で対処することは非常に困難で、危険も伴います。
そこで、専門家の弁護士のサポートを得ながら、離婚への大変な道を駆け抜けていくことが重要です。
できる限り、別居をする前に弁護士に相談したほうが、別居のタイミングなどを失敗しません。
どの弁護士を選ぶかについては、家族や知人に紹介された弁護士、近所にある法律事務所、大々的に宣伝している全国規模の法律事務所だからといって安易に選ぶことはおすすめできません。少なくとも、モラハラによる離婚に力を入れている法律事務所の弁護士を選ぶべきです。
当事務所は、モラハラ被害を受けている女性の離婚問題の解決に最も力を入れていますので、夫のモラハラで苦しんでいる女性の方は、ぜひとも一度、当法律事務所にご相談されることをおすすめいたします。
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