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公開日:2024年5月12日 最新更新日:2026年4月12日
新民法824条の2は、親権の行使方法等について、新たに次の規定を設けました。
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(親権の行使方法等) |
旧民法においても、婚姻中は共同親権でしたので、共同親権の行使方法が問題になっていました。
この点、旧民法818条3項が「親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。」とだけ規定していたところ、この規定は、日常の些細な事項を含むあらゆる事項について父母が共同で決めなければならないことを意味するものではないと解釈されていました。ただ、共同親権下で父母の一方が親権を単独で行使できる範囲について不明確でした。
そこで、新民法824条の2が、共同親権下において父母の一方が親権を単独で行使できる範囲をある程度明確にしました(この規定は、婚姻中の共同親権のときにも、離婚後の共同親権のときにも、適用されます。)。
新民法824条の2は、父母の一方が親権を単独で行使できる場合として、次の場合を規定しています。
① その一方のみが親権者であるとき(1項1号)←これは当然ですね。
② 他の一方が親権を行うことができないとき(1項2号)←旧民法818条3項ただし書と同じです。
③ 子の利益のため急迫の事情があるとき(1項3号)←新しい規定です!
④ 監護及び教育に関する日常の行為(2項)←新しい規定です!
つまり、共同親権となったときも、「子の利益のため急迫の事情があるとき」と「監護及び教育に関する日常の行為」については、親権の行使を単独ですることができます(新民法824条の2第1項3号、第2項)。
まず「日常の行為」とは何か、そして、「急迫の事情」とは何かを見ていきましょう。
「日常の行為」に当たる例・当たらない例として、法務省は、次のような場合を挙げています。

「日常の行為」に当たらないものについても、「急迫の事情」があるときは、父母の一方が単独で親権を行うことができます。「急迫の事情」がある例として、法務省は、次のような場合を挙げています。

たとえば、子どもと一緒に住んで育てている母親(元妻)が父親(元夫)と離婚する際に共同親権になった場合、引っ越しをしたり、進学先を決めたり、子の預金口座を開設したりする場合、元夫の同意を得なければいけません。
元夫との話し合いが難しい場合(特に、元夫のモラハラが原因で離婚したような場合)、共同親権になると、非常に困難な事態になることが予想されますので、共同親権を避けるべきだと思います。
離婚後の共同親権の導入を含む「民法等の一部を改正する法律案」について弁護士が解説 へ戻る